「見えやすく、分かりやすく、頼りがいのある司法」を実現させるための大きな柱の一つとして発足したロースクールは、現在、多くの困難をかかえています。 私たちは、「見えやすく、分かりやすく、頼りがいのある司法」を実現するために「ロースクールと法曹の未来を創る会」を設立して、多くの人々とともに司法改革を前進させる決意をここに表明します。 |
2024年度司法試験の合格者についての声明
2024年度の司法試験合格者数は、1,592人(対受験者合格率42.13%)でした。本年度の合格者数については、「合格者数を1,500人以上とする政府目標を2年連続で上回った」との報道が複数見られましたが、これは2015年の政府の法曹養成制度改革推進会議の決定を誤解するものです。同会議は、「1,500人が目標」とはしておらず、3,000人以上の新規法曹を送り出すとした司法制度改革の目標が忘れられています。
各地の法曹関係者による法曹の魅力を若者に伝える地道な活動や『虎に翼』などの弁護士ドラマの影響などもあってか、法科大学院の人気は回復傾向にあります。また、法曹界には社会人経験を有する者、理系学部など法学部以外の学部を出た者、外国語に堪能な者など、多様な人材を確保することが不可欠です。
そこで、当会は、政府や司法試験委員会に対し、法曹志願者数が回復すること、それにより国民と社会が求める法曹をより多く輩出するために、来年度以降は、2000人以上を合格させるよう強く要請いたしました。
声明文の詳細については、下記をご覧ください。
2024年度司法試験の合格者決定についての要請
各種の統計によれば、企業、法律事務所、行政機関における弁護士需要は、年々、高まっています。しかし、直近10年間の司法試験合格者数は、2015年度を除き、毎年、前年度を下回り続けてきました。昨年度の合格者数は、1,781人と前年度に比べ増加していますが、これは昨年度から開始された「在学中受験」の影響によるものにすぎません。弁護士の採用難は益々、深刻化しています。
合格者数が少ないために2023年12月14日の一斉登録の時点で、新規登録弁護士が0人又は1人の、いわゆる「ゼロワン弁護士会」が25会もあります(函館弁護士会、旭川弁護士会、釧路弁護士会、仙台弁護士会、福島県弁護士会、山形県弁護士会、秋田弁護士会、富山県弁護士会、島根県弁護士会、大分県弁護士会は新規登録弁護士が0人です)。これでは地方の企業が自社のニーズに合った弁護士を探すことが益々、困難となります。
現在、多くの先端的かつ重要な分野で規制改革やルールの策定が求められており、日本が他国と伍してこれを自国に有利な形で推し進めるためには多数の弁護士が必要です。
法曹志願者の減少はわが国にとって深刻な問題ですが、これを打開する唯一の方法は、司法試験合格者を大幅に増やすことです。高い学費を支払い、数年間、法科大学院に通ったにも関わらず、合格できない者が多数いるという状況では、法曹志願者が減少するのは当然のことです。
そこで、当会は、2024年度の司法試験合格者数を少なくとも2,000人以上とするよう強く要請いたしました。
要請書の詳細については、下記をご覧ください。