ロースクールと法曹の未来を創る会、Law未来の会

活動報告

2018.9.14「これからの法曹養成制度を考えるー法曹養成の危機にどう向き合うか?」@札幌弁護士会

 2018年9月14日、当会代表理事久保利英明が札幌弁護士会からご招待を受け、同会主催の「これからの法曹養成制度を考えるー法曹養成の危機にどう向き合うか?」というシンポジウムに参加いたしました。

 シンポジウムでは、最初に、問題提起として読売新聞東京本社調査研究本部主任研究員高橋徹氏が、司法制度改革と法曹養成制度の中核であるロースクールの現状、そして問題点、現在話題となっている法曹養成コースの紹介をされました。

 橋氏からこれからの法曹養成制度がどうあるべきか、地方の放送をどう守るか、という問題提起を受けて、橋氏を交えて、当会代表理事久保利英明と愛知大学法科大学院教授森山文昭氏でパネルディスカッションを行いました。

 このパネルディスカッションでは、当会代表理事久保利がロースクール制度に危機が訪れている原因を「司法試験合格率の低迷」とした一方で、森山氏は「弁護士業界の地盤沈下」として、意見が真っ向から対立する形で始まりました。

 そして、将来の法曹像や法曹界の未来について議論が移った際にも、当会代表理事久保利から、「司法は国策である。弁護士が積極的に国民や企業のニーズを捉え、業態そのものを変えていくことが必要である。」としたのに対して、森山氏からは「国民のニーズに応えて弁護士が変わらなければならないことは賛成だが、それを弁護士の数を増やすことで国民のニーズ状況を変えていくことは危険である。」と意見が対立しました。 代表理事久保利からはさらに「競争の中で依頼者のために闘うことで、初めて弁護士は尊敬される。」としてビジネスをする以上必然的に起きる競争の中から質の良い弁護士が育っていくことを述べたところ、森山氏からは「被害を受けるのは国民であって、悪徳弁護士が必ず淘汰されるとは限られない。」と反論がありました。この議論については、橋氏から「弁護士にもビジネス感覚が必要で、個々の弁護士が切磋琢磨することで、法曹界全体が活性化するのではないか。」と当会代表理事久保利の意見に添うご意見もいただけました。

  このように、シンポジウムでは、当会代表理事久保利と森山氏の意見の対立により非常に白熱した議論が展開されましたが、その詳細については、是非添付の報告書をご覧いただけたらと思います。

  今回、このような機会を設けていただいた札幌弁護士会、そしてともに熱い議論をさせいていただいた高橋氏、森山氏には誠に感謝しております。

  シンポジウムが開催された時期は、北海道胆振東部地震の直後ではありましたが、多くの札幌弁護士会会員がご参加いただき、当会からも応援に駆け付けました。

  シンポジウム後の懇親会も大きく盛り上がり、夜中まで議論が続きました。

  今後も、当会としてシンポジウムなどの開催を通して、法曹養成制度に提言を続けてまいりますので、よろしくお願いいたします。

 【報告書 これからの法曹養成制度を考えるー法曹養成の危機にどう向き合うか?】

 

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