2014年 5月14日
設 立 総 会
場 所 大手町サンスカイルーム
約100名近い参加者にお越し頂き、当会の設立総会が盛大に行われました。
まず、発起人の一人である久保利英明弁護士が、開会の挨拶を行いました。司法が社会の「中核的インフラ」であり、経済界、学会、政治家、生活者など法曹以外の分野とも連携して、現在の制度改革後退の動向に「反撃」していくことを力強く宣言するとともに、新人弁護士や不合格者の支援を行っていく決意を改めて表明しました。
次に、ご来賓を代表して、日本経済団体連合会顧問・参与(元副会長・事務総長)の中村芳夫様、続いて、参議院議員の三宅伸吾先生からご挨拶を頂戴しました。
中村様からは、弁護士がもっと企業の現場、企業の経営全体に幅広く関わっていくべきで、法曹養成制度はそうした経済社会のニーズに応えるようなものであってほしい、そうした法曹を育てるために、経済界もその一端を担う覚悟があるという心強いお言葉を頂きました。
三宅先生からも、司法試験の合格者を増やす必要性など、市民のための改革が行われるよう、協力していきたいとのお言葉をいただきました。
元最高裁判所判事の泉徳治先生からは、当会設立を記念して、「法科大学院制度の問題点」という演題で基調講演を行って頂きました。
泉先生は、現在の制度の仕組みによって、多様性を涵養するための学習の機会が失われていることなど、司法研修所も含めた法曹養成制度の問題について、データを踏まえた鋭い分析を述べられました。
また、その問題点を克服するための、踏み込んだ具体的なご提言(法科大学院を3年制に一本化することや司法研修所での修習内容もそこでの教育課程に組み込むこと等)をされました。さらには、法曹界から海外に積極的に出ていく人材を輩出、支援することで、わが国の社会に貢献していくべきだとのお考えを示されました。
その後は、「ロースクールの意義」と題し、ご挨拶頂いたのは、元司法試験考査委員で、法科大学院制度発足時から、その先頭に立って制度の普及・発展に努めてこられ、現在、青山学院大学のロースクールで教鞭をとっておられる、後藤昭教授、社会人をご経験され、その後法科大学院に1期生として学び、現在、弁護士法人キャストで活躍されている鈴木幹太弁護士、一橋大学法科大学院の未修2年生の松尾朝子さん、の3名の方々にスピーチをお願いしました。
後藤教授からは、ロースクールの発足によって多数の弁護士を排出したことや、「研究者と実務家の接近」という変化をもたらしたという意義などについて、鈴木弁護士からは、法科大学院での学びが実務に役立っているとのご経験談などについて、松尾さんからは、法科大学院には、未修者であっても、周囲の仲間と切磋琢磨して能力を伸ばしていける環境があり、そのような法科大学院の良さをもっと多くの人に伝えたいとの思いなどについて、それぞれ熱く思いを述べていただきました。
以上のスピーチが終わった後、議長として選任された岡田和樹弁護士によって、当会の規約の承認および理事の選任等の手続が行われました。いずれの議題も、満場一致の拍手により、承認されました。
最後に、理事に選任された斎藤浩弁護士が、活動方針について説明を行いました。
当会の活動方針については、こちらのリンクをご参照ください。
そして、既に各方面から色々なご意見を頂戴していることを踏まえ、将来的には一緒になって次代の法曹養成のために頑張れるような法曹業界を創り上げたいと、力強く抱負を述べました。
当会の活動方針についても、満場一致の拍手で承認されました。
以上、設立総会は、各分野から大変意あふれるご挨拶、ご講演の連続で、会場全体が今後の当会の活動に対する期待感で包まれつつ、晴れて閉会となりました。
閉会後には、設立記念パーティーが盛大に行われました。
乾杯の音頭は、塩崎恭久自由民主党政務調査会長代行にとって頂きました。塩崎先生からは、当会の趣旨に賛同してくださるとの、大変心強いお言葉を頂戴しました。
また、東京大学名誉教授の新堂幸司先生、桐蔭横浜大学学長で中央大学名誉教授の小島武司先生、東京大学名誉教授の柏木昇先生から、法曹養成制度の変革の必要性や、当会への期待と激励のお言葉を頂戴しました。
当会の大澤恒夫理事(桐蔭横浜大学法科大学院教授・弁護士)からは、改めて、当会の活動をますます盛り上げていくことに対しての決意が語られました。それを受けて、現役法科大学院生有志も、当会と歩みを同じくして、できる活動をしていきたいと抱負を述べました。
その他、現役のロースクール生からも、当会の感想についての挨拶があり、参加者全員が、今後の活動に向けて一致して頑張ろうとの思いを新たにしました。
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