ロースクールと法曹の未来を創る会、Law未来の会

活動報告

2020.2.18「弁護士が採れない!」を考える会

 当会では、2020年2月18日、「弁護士が採れない!」を考える会と題するイベントを開催いたしました。
今回は、2019年10月14日に開催された東京三会修習生就職合同説明会に参加された企業・法律事務所の方にお集まりいただき、司法試験合格者の減少と法曹人材の需要増加による弁護士の採用難について議論いたしました。

 企業法務革新基盤株式会社 代表取締役CEOの野村慧氏をお招きし、「リーガル人材マーケットの現状と人事戦略」とのテーマでご講演いただき、弁護士の採用を考えている企業・法律事務所が、採りたい人材を採用するために必要な、人事部門の戦略的な構築について解説していただきました。
 ご講演では、司法試験合格者が年々減少しているのとは対照的に、弁護士の採用数は、いわゆる四大・五大法律事務所を筆頭に増加・寡占化しており、採用及び人材定着のため、弁護士の年収も現実に増加しているといった法曹人材の採用の現状についても詳細にレクチャーしていただきました。

 講演後は、野村氏とともに、参加された企業・法律事務所の人事ご担当者と意見交換を行いました。参加者からは、採用応募者数が年々減少している、内定を出しても辞退されてしまう、所属弁護士の転職を防ぐためにどうすればよいかといったお話があり、同じ悩みを抱える企業・法律事務所同士で、実務的な課題について活発な議論がありました。さらには、弁護士が足りないせいで、仕事を受任したくても受けられないとのお話もあり、法曹人材の供給がこのまま減少すれば、国民が享受するリーガルサービスの低下につながりかねないことも明らかになりました。

 講演と意見交換会を通じ、司法試験合格者の減少により払底しつつある法曹人材を、各企業・法律事務所が奪い合う現状が浮き彫りになりました。そして、今後も、弁護士の採用問題については議論や提言を続けていくことを確認して、懇談会は終了しました。当会としても、引き続き、弁護士の採用問題をはじめとする法曹人口問題など、ロースクールと法曹を取り巻く様々な課題について問題提起や意見交換を行っていく所存です。


 

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